予防接種とは
当院では成人向け予防接種として、インフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種を行っています。その他のワクチン接種を希望される方はご相談ください。
インフルエンザワクチン
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。感染すると1~2日ほどの潜伏期間を経て発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。それと同時に喉の痛み、鼻水、咳といった風邪のような症状も見られます。また小児であれば、けいれんや中耳炎、ごく稀に急性脳症の症状が、高齢者や基礎疾患をもつ方では肺炎を併発するなど、重症化することもあります。
インフルエンザを予防する有効な手段のひとつに流行前のインフルエンザワクチンの接種があります。接種時期としては、例年12月~翌3月頃に日本ではインフルエンザが流行していること、接種した後に効果が出るまでに約2週間かかることから、毎年12月中旬頃までに接種するのが望ましいと思われます。また、インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変え、異なるタイプが流行しますので、それに対抗するためにも、予防接種は毎年行う必要があります。
なおインフルエンザの予防接種につきましては、お子様にも接種を行いますが、年齢によって接種回数が異なります。12歳までのお子様につきましては2回の接種が必要で、13歳以上から1回の接種となります。2回接種する場合は、1回目から2~4週間ほどの間隔を空けてから2回目の接種を受けるようにしてください。
肺炎球菌ワクチン
肺に細菌やウイルスなどの病原微生物が感染することで炎症を起こしている状態が肺炎です。これは全身の免疫力が低下している際に発症しやすいと言われています。なかでも高齢者の方や基礎疾患を持っている方などにかかりやすく、しかも治りにくいことでも知られています。症状としては、発熱、激しい咳、呼吸困難などが現れます。
なお肺炎の原因菌はいくつかありますが、最も多い菌が肺炎球菌で、成人の肺炎の20~40%が、この菌によるものです。つまり肺炎球菌ワクチンを接種すると、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防するほか、重症化のリスクを低減させる効果が期待できます。
日本人の死因の第3位を占める肺炎ですが、死亡者の9割以上が65歳以上の高齢者と言われています。高齢者の方は、肺炎球菌ワクチンの接種は定期接種となりますので、対象の方は可能な限りお受けになるようにしてください。
※肺炎球菌ワクチンは接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出るケースがありますので、再接種を希望される方は、5年以上の間隔を空けてください。
高齢者の方の予防接種について
高齢者の方※ につきましては、インフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種の一部費用を公費で負担する定期接種(肺炎球菌は対象者のみ)となっております。肺炎球菌につきましては、当年度に65歳になる方でこれまで未接種の方等が対象になるなど、かなり限定されています。対象かどうかわからない、詳細が知りたいという方で、さいたま市在住の方は同市の公式ホームページをご確認ください。
※65歳以上、もしくは60歳から65歳未満の方で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方